今日はきっと あたりまえじゃない日 2







会社の野菜出荷場にどーんと2台。
朝イチからシュッシュシュッシュと湯気をあげてる。
直火で2段重ねのアルミせいろが蒸してるのは、ふふ…無農薬のもち米
今日は朝イチからおもち作り。
デスクワークなんかやってられん。(笑)







大阪生まれの大阪育ち。
超都会っ子じゃないけど田舎っ子でもない。
子どもの頃、おもちといえばの真空パックされた切り餅しか知らなかった。
そう、例のアレ。
溶ける餅ね。(笑)
子どもながら、あれは好きじゃなかったんだろう。きっと。
美味しかった記憶はゼロ。残念ながら。


昔… ある日、確か小学5年生の冬だった。
学校から帰ると新しい炊飯器がテーブルにドンっと。
真っ白でデカくて、ボタンがいくつも並んでる。
そして、四角い。

…四角い?

斬新なカタチの、我が家2台目の炊飯器。

…2台目?

夕方、おばあちゃんがなんやら急に忙しげ。
台所でシュッシュシュッシュとなんやら湯気があがる。
蒸し上がった米をその四角炊飯器になんやらドサっと。
ピッ。
ピッピッ。
ピーーーッ。



ゴトンガゴンゴトングワンゴトン…
うなりをあげ小刻みに揺れる四角炊飯器。
おばあちゃんは頭に巻いてた手ぬぐいを取りながら言った。
「けんちゃん、これ、おもちができるんよ」

おもち
うちに、自動餅つき機がやってきた日だった。

パック切り餅しか食べたことがなかったけど、
お正月にブラウン管の中で見た、あのおもちができるんや。
臼と杵でペッタンペッタンする、あのおもちができるんや。
小5の俺は 正座して、揺れる四角炊飯器を飽きもせずずっと見てた。





あっ、四角炊飯器が止まった。
おぉぉぉーーついにできあがったんや。

おばあちゃんは大きなビニールの上に粉を敷き詰める。
母がガコンっと中釜を取り出し、粉の上にドサっと。
スタンバってた俺と弟は、教えられた通りにちぎって丸める。
「熱っ、コネコネ、コロン、熱っ、コネコ…熱っ、コロン、熱…」
もう必死にがむしゃらに、湯気と粉を舞い散らして丸めてた。

おばあちゃんの腕前はさすがのプロ級。
横で、弟は顔も体も粉で真っ白にして大喜び。
俺は頭の手ぬぐいがほどけて前が見えん。(笑)
母は大笑いしながら、できた餅をバットに並べていく。
いつも怖い父が、そんな家族を見て声をあげて笑った。


幸せだった。
かけがえのない一日だった。







「あたりまえじゃない日」ってのは、なかなか気付けないもんで。
俺だけかもしれないけれど。(苦笑)

こんな非日常の一コマに、たっぷり幸せが染みてるんやね。
実は。ね。







掘りたてのたけのこも朝イチからスタンバイ。
会社の裏にたけのこ山があるからね。きのこの山はないですが。
イノシシが先か人間が勝つか、毎年 早い者勝ちの一本勝負。


  







有機栽培米のヌカで湯がく。
今では超レア品のヌカだけど。



 


たけのこも今だけの旬。
掘るのも料理も非日常。
ワクワクする特別な日。

これも子どもの頃、家族でたけのこ堀りに行ったのを思い出した。
そして、おばあちゃんが大鍋で湯がいてたのも覚えてる。
きっとまた子どもたちは騒いで、おばあちゃんはプロ級で、
母も、そして父も笑ってたんだろう。
きっと。
あの頃。


ちっぽけでも、幸せな、
うん、かけがえのない一日だったんだろう。きっと。







「あたりまえじゃない日」ってのは、案外気付けないんよ。
たぶん俺だけじゃないと思うけどね。

でも「あたりまえじゃない日」は、実は今日かもしれない。
小さくてもシアワセに気付くはず。 きっと。




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2 thoughts on “今日はきっと あたりまえじゃない日

  • こんちわ、初めましてか、お久しぶりですか、どっちを言えばいいのか迷うところではあります。
    時々、見ていたのですが、お餅の話題だったので突っ込みます。
    機械の餅つき器でもダメなんです。溶けるんです。餅はやっぱり、杵と臼でついて下さい。
    我が家は30年間、杵と臼です。(年末年始、骨折していた1回を除きますが・・)
    一度、杵と臼でついた餅を食べると、他の餅は餅ではなくなります。

    • 土田 賢一 | 土のめぐみ  Post author

      コメントありがとうございます。
      30年間変わらず杵と臼なんですね、本当に素晴らしいです。
      そうですね、私ももちろん杵と臼が世界一だと思っています。
      ぜひこれからもずっと杵&臼の最高級餅を伝えていってください。
      (あっ、無茶して骨折しないようにお気をつけを・笑)